数年前たまに、自分の容姿が佐々木希だったらなあ!!と思っていた。
仕事や生活で上手くいかないことがあると思った。
佐々木希のファンでもなかったが、「億万長者だったらなあ!!」「ハワイに行きたい!!」「もう明日寿退社で仕事やめてえ!」みたいな発想と並列にあるものだった。
ようは現実逃避で、物事に対して即効性があって絶対叶わない夢みたいなこと。
(ハワイはいつか行けるかもしれないが)
輝くように綺麗で、明るく笑って、社会的地位もあって、性格も良さそうな女性。
自分もあんな風だったら、今頃こんな目には…!!!と歯軋りをしたものだ。
だから、昨日今日飛び込んできたスキャンダルには驚いた。
あの!のぞみちゃんが!!
不倫は個人的には許しがたいものだが、そんなものは当事者同士の問題なので、その是非については置いておく。
あののぞみちゃんでもそんな目に遭うの!?と思った。
佐々木希だったらなあ!!という発想の浅はかさに数年ごしに気づかされた。
どんなに素敵な人でも、ずっと役満!最高!ハッピーエンド&スタート&エンド!なんて、そんなこと決してない。
手元にあるものをこなし、足場を守り、そばにいる人を大切にし、病める時も健やかなる時もただ普通に生きていくしかない。
それは自分がどこの誰であったとしても、変わらないことだったのだ。
理不尽な仕打ちに曝されることも、生きていく時間の一つに含まれる。
それでも、生きていかなければいけないということ。
私はいつの間にか、佐々木希だったらなあ!!とは思わなくなっていた。
失恋した時は容姿を嘆いたりしたけれど、一過性のものだった。
私の容姿が変わることで上手くいく物事なんて捨てておけ。
この私で生きる。
ただ、のぞみちゃんが、悲しい思いをこれ以上しませんようにと思う。
ファンでもないのにわりと切実に思う。