多面体のあなた
交友関係が狭いし、この数週間大半の時間を一人で過ごしていた。
ので、ここ数日久しぶりに家族・友人と共に過ごし、嬉しい反面一人で好きなように暮らすことに慣れすぎた自分にも気づいた。
人は色々な側面を持っている。
たとえ好きな人でも、親しい人でも、自分にとって全てが好ましい側面ばかりではない。
その事をすっかり忘れていた。
一人の部屋に戻り、お茶を飲んで自分の布団に入る。
なんとなく、自分を取り戻せた気になる。
多面体の全てを、見せ合わなくていい。
どんなに親しくても、全てを理解しあうことは不可能だ。
全部見せて、全部受け止めて欲しい。そんなことはできない。
その逆もある。
もうこの人とはわかりあえない、嫌いだ苦手だと思っていた人のある一面が、とても魅力的な場合。
違う銀河の住人だと思っていたあなたに、私の言葉が通じた瞬間。
100%の敵はそうそういない。
それが厄介なこともある。どうせなら憎みきらせてくれよと思う。
でもだからこそ、その隙間をぬって時折わかり合える。
100%の味方もいない。
そのことが時々心細くなる。
多面体のあなたの、私にとって好ましくない面。
それを見ないことも可能だが、見てしまったらどうするべきか。
いつか、そういうものも全てひっくるめて、愛しているよと言えたらいいと思う。
人間関係に完成はない。
私にも完成はない。
合わないと切り捨てがちな性分を、少しずつ変えていけたらいい。
私も多面体だ。
ルービックキューブのように、カラフルであればいいなと思う。