少しだけ近い
ぐちゃぐちゃな気持ちになったとき、それをありのまま文章にするとわりと死にそうになる。
書き終わるとスッキリしたり整理できたりもするが。
刃物をぶっ刺して血だらけになりながら、毒を抜いてるみたいな感じ。
でも、できるだけ書いてはみても、本当に思ってることとは少しずれているように感じる。
だから言葉を重ねてみるが、それでも。
本当の本当に感じている、気持ちそのままを文章にするのは私には難しいことだ。
詩や短歌を書くことがある。
そういうぐちゃぐちゃな時に書くと、気持ちそのままを誰にでもわかるように書こうとした文章よりも、私の気持ちに近いものができる。
不思議だ。
誰にでもわかる言葉で、わかる文章で書いた方が事実に遠い。
今日に始まったことじゃない。
詩や日記は幼い頃から書いてきた。
ずっとそうなのが不思議。
血だらけになってる文章に対し詩などは、ぐちゃぐちゃで形も色もなんだかわからなかったものが、書くことで輪郭のある存在として出力される。
今日も今日とて、ぐちゃぐちゃだった。
仕事をしてた時はしてた時で度々ぐちゃぐちゃになっていたのに、辞めてもなってしまう。
私はずっとこうだ。
昔からいつでもどんな状況でも、ぐちゃぐちゃになりがち。
どうにか文章にしようと少し考えただけで、苦しくて嫌だった。
文章にすることで、私は自分をさらに卑下し断罪してしまう。
短歌を書いた。
なるほど、と落ち着いた。
私の今のぐちゃぐちゃが、短歌の形で現れた。
私の創作物が、金に繋がらないのはとっくにわかっている。
だが、そういうことじゃない。
金がどうとかじゃない。
そして需要もないことはわかっている。
でも、そんなことはどうでもいい。
私が私のために書く。
生きていくために。