まだ寝てていいよ

思いついたことをテキトーに

部屋ラブ

 

住んでる部屋の更新時期がそろそろだと気付いた。

引っ越そうかどうしようか迷っている。

 

一人暮らしを始めたのは、社会人になってからだ。

今まで異動や退職で、同じ場所に一年半以上居たことはなかった。

 

今の部屋はもうすぐ二年。

初めて部屋の更新時期を迎える。

 

何にでも何かと文句をつけがちな私は、どの部屋でも文句を言っていたが、それ以上に部屋を好いていた。

この部屋も、未だに何かと文句をぶつぶつと言っている。

 

エアコンが動かないから寒い。

日当たりもそんなに良くない。

湿気がこもりすぎる。

 

でも、愛している。

 

長風呂をする狭い風呂場。

お茶のため毎日お湯を沸かすガスコンロ。

ベッドに寝転んで、枕ごしに頭を置くと気持ち良い壁の角。

 

一人で暮らした、私だけの生活の場所。

ここで私は、誰かの何かにならなくていい。

 

仕事のための人間でも、家族のための人間でも、善良な一般市民でもなくていい。

 

私が私で居て、好きに何をしてもいい。

 

そんな私を受け止めてくれた場所。

だから、住む時間が長くなるほど愛着は大きくなる。

引っ越そうと随分前から思っていた。

長くなるほど離れがたくなる。

愛着だけではなくなる。物理的な問題も出てくる。ここだから置いた家具や荷物が増えてしまう。

 

自分の人生は、身軽であるべきだと思っている。

いつでもその場を捨ててどこへでも行ってしまえるくらいの心の身軽さを持っていたい。

 

だが、ここでの暮らしを大分愛してしまった。

それでも、更新時期はやってくる。

そして私は仕事を失うことが決まっている。

何にせよ新しい仕事場には行かなければならない。

 

大人になると、決断の連続だ。

その責任は誰も取ってくれない。

だが、不幸になるも幸せになるも、それが自分のものなのは、良いことだと思う。

 

この部屋から出ることになっても、この部屋を愛していたことを私はきっと覚えている。