まだ寝てていいよ

思いついたことをテキトーに

冷たくて綺麗な

 

住んでる地域に雪が降った。恐らく初雪。

雪が降ると、雪の匂いがする。

この匂いってなんなんだろう、きっと科学的にとっくに言われてるのだろうと思い、「雪 匂い」で検索してみた。

明確なこれといった記事は出てこなかった。

だが、この雪の匂いという感覚を持つ人は一定数いるようだ。

 

なんとも説明しがたいが、冷えた空気にはっきりと雪の匂いがする。

ちょっとほこりっぽいような気もする。

でもずっと嗅いでいたいような、スッキリした匂いだ。

 

ふと、実家には夏の匂いがあることを思い出す。

実家は田舎だが、住宅街だ。

それでも、今住む街(比較的都会)には無い匂いがする。

自然由来の匂いだ。

水と草の匂いのような気がする。

苔の匂いなのかもしれない。

湿度の高い空気に香り、さっぱりとはしていない。

それを嗅ぐと、泣きたいような気持ちになる。

猛烈に懐かしい気持ちになる。

実家を離れてから夏に帰省するたび、年々この匂いが郷愁を誘ってくる。

 

地元の季節には、匂いがあった。

山や海に囲まれた街だったからかもしれない。

それらしく建物は並んで、街が作られていても、私達はこの場所を間借りしてるに過ぎない。

自然は常に圧倒的だった。

その主張の1つのように、季節は香る。

花や木々が芽吹き、日差しが柔らかく当たって、春の匂いになる。

涼しくなった空気に、染めかけた葉の匂いがまじって、秋の匂いになる。

 

雪の匂いを嗅ぐと、静かな気持ちになる。

しんしんと降り注ぐ雪の中、一人でそれを見ていたことが多かったからかもしれない。

 

寒さは苦手だし、冬は憂鬱だ。

子どもの頃ほど雪にテンションは上がらない。

ただ、それでも雪が降って、この匂いを嗅ぐと、静かにワクワクする。