サンタとトイレについて話そう
雑談が苦手だ。
家族や友人なら楽しいが、そうでない相手と話すのが難しい。
話すことに苦手意識があるため緊張してしまい、まざれないことが多い。
かといって、どうしても輪に入りたい!と思う話題が繰り広げられていることは少ない。
なので、実際そこまで困っているわけではないのだが、では雑談をするとしたら何を話したいか?ということを考えていた。
サンタをいつまで信じていたか。
これだ。
最初はこの質問、「推しに何か質問できるなら何を聞くか」を考えていた際に思いついたものだった。
推しに限らず、周囲の人間にぜひ尋ねてみたいと思った。
だが、その人が育った家庭事情によっては、聞かれたくない質問である可能性もある。
クリスマスについてどう思っているかなど探りを入れてから聞いた方が良いだろう。
探りを入れ、サンタの話題も大丈夫そうな人に聞いてみたい。
しかし、そんな探りを入れて判断するなどという高等技術を私は持たないので、これを雑談の話題として持ち出すことはこの先も無い。
ちなみに私の家にはサンタさんは五年生まで来ていた。
猫がほしい!猫がほしい!とクリスマス前に散々言いまくったので聡明なサンタさんは私の意を汲んでくれる!と思っていた。
クリスマスの朝、猫のぬいぐるみが置いてあった。
「生きている猫」とまでちゃんと言わなければならなかったらしい。
次の年のクリスマスから、プレゼントをねだる相手をサンタさんから親に変更した。
プレゼント内容も現金となった。
大人の階段をのぼってしまった瞬間だった。
余談だが、サンタさんの来るクリスマスと、サンタさんの来なくなったクリスマスでは楽しさが2000倍くらい違うが、その辺りを皆どう折り合いつけているのだろうか。
サンタが来なくても、アルコールや恋人の力などを借りて、サンタが来るクリスマスに匹敵する楽しさを会得してるのだろうか。
プレゼントなんてどうでもいいのだ。
サンタという謎の見知らぬおじさんが、なぜか私の欲しいものを把握し、家を間違えることなくちゃんとプレゼントを置いていくこと。
しかも家の外にでなく、鍵がかかってるはずの家の中に置いていく!
こんな不思議なことが、クリスマスの夜だけ毎年起きる。
たった一晩だけ、私の現実と物語の世界がつながる。
その浪漫たるや。
今でもクリスマスは好きだ。
当日が仕事でまるまる潰れても、一緒に過ごす相手がいなくても、ご馳走を食べなくても、クリスマスは良い。
でもあの頃のクリスマスはもう二度と私にはやってこない。
そう思うと、いっそ二十歳ギリギリまで信じていたかったと思う。
さて、雑談について。
サンタ以外の話題として、
「理想のトイレはなんですか?」
これを聞いてみたい。
理想でなくてもいいが、トイレの設備について思うところを聞いてみたい。
生きていれば、ほとんどの人が必ず利用する場所だ。
人は誰しもトイレについて何かしらの考えがあると思う。
私は胃腸が弱いので、人よりトイレの場数は踏んできた方だと思う。だから余計に気になるのかもしれない。
友人の結婚式へ向かう際、他の友人たちとトイレについてひたすら話していたことがあった。
こんなおめでたい日にトイレって、とも言ったが、それでも一つ話すとあれこれ思いつくのがトイレの話題なのだ。
私は近年主流の、自動で水が流れるトイレが苦手だ。
自分のタイミングがあるから…!!!
と毎回思う。
衛生面を考えての機能だと思うが、そのわりに、追加で流したいときはボタンを押さないと流れなかったりする。
私はあのボタンこそ汚いと思っている。
一番好きなのは、手をかざすと流れるタイプのトイレだ。
あと、荷物を置く場所。
フックが扉でなくサイドの壁についている方がなんとなく好きだ。
ショルダーバッグをかける際、扉のフックにかけると何かの拍子でバッグが揺れて鍵にぶつかって開くのでは…という要らぬ心配をしてしまうのもある。
フックだけでなく、荷物を置ける場所があるトイレは加点対象だ。
フックもなく荷物を置く場所もなく、やたら狭いトイレがたまにあるが、あれは一体どういうつもりなのだろう。
まだまだ語れる。
私一人だけでもかなりある。
人と話せばどんどんエピソードが出るだろう。
雑談として盛り上がるかはわからないが、共感や発見がある話題だと思う。
明日からも雑談には上手くまざれないだろう。
しかし、この2つのトピックは懐にしのばせ、ここぞというときに出してみようと思う。
話題については今後も考えていきたい。
懐にしのばせるトピックが増えれば、雑談への不安も減るような気がする。